求人票には月給30万円と書かれていたのに、内定後の労働条件通知書は月給26万円。希望職種で応募したはずが、書面には「会社の定める業務全般」と記載されている。このような違いを見つけ、「求人票と労働条件通知書はどちらが正しいのか」「このまま承諾してよいのか」と不安になっていませんか。

求人票は応募者を募集する段階の情報であり、すべての記載がそのまま個別の労働契約になるとは限りません。一方、企業が選考途中で条件を変更する場合は、変更内容を応募者へ明示する必要があります。説明のないまま不利な条件を受け入れる必要はありません。

大切なのは、違いを見つけた時点で承諾や署名を急がず、求人票・面接での説明・労働条件通知書を照合し、最終条件を書面で確定させることです。本記事では、求人票と労働条件通知書が違う場合の確認手順を、内定承諾前、承諾後・入社前、入社後に分けて解説します。企業へのメール例文、保存すべき証拠、相談先も紹介します。

結論:承諾を止めて「保存・確認・書面化」の順で対応する

求人票と労働条件通知書の内容が違う場合は、次の3つを先に行います。

  1. 保存:求人票、募集ページ、スカウト文、メール、労働条件通知書を保存する
  2. 確認:違っている項目と変更理由を採用担当者へ質問する
  3. 書面化:合意した最終条件を労働条件通知書や雇用契約書へ反映してもらう

求人票より不利な条件が記載されていても、確認前に承諾書へ署名したり、承諾メールを送ったりしないでください。単純な記載ミスであれば訂正してもらえます。採用ポジションや提示条件が実際に変更されたのであれば、理由と新しい条件を確認したうえで、承諾・交渉・辞退を判断します。

違いが分かった時期 最初に行うこと 判断の中心
内定承諾前 返答を止め、相違点と変更理由を確認する 修正後の最終条件に納得できるか
承諾後・入社前 直ちに書面で指摘し、訂正または説明を求める 合意した条件と現在の提示内容が何か
入社後 通知書どおりの履行を求め、勤務実態も記録する 書面で明示された条件と実態の差

先に退職を確定させない:条件の相違が解決していない段階では、可能な限り現職の退職届提出、住居契約、引っ越しなど、元に戻しにくい手続きを急がないことが重要です。

求人票と労働条件通知書は役割が違う

条件の違いを判断するには、まず各書類の役割を区別する必要があります。

書類・情報 主な役割 確認上の注意
求人票・求人広告 募集段階の仕事内容や待遇を応募者へ示す 幅のある条件や想定年収が記載されることがある
スカウト文・紹介メール 応募を促し、ポジションの概要を説明する 求人票本文と条件が一致するか確認する
面接での説明 経験や配属予定に応じて具体的な条件を説明する 口頭内容は日付と発言者をメモする
内定通知書 採用意思、入社予定日、回答期限などを伝える 労働条件がすべて記載されているとは限らない
労働条件通知書 契約期間、勤務地、業務、労働時間、賃金などを明示する 個別に提示された最終条件を重点的に確認する
雇用契約書 会社と労働者が合意した契約内容を記録する 署名前に通知書や説明内容との相違を確認する

労働条件通知書と雇用契約書を兼ねた書式もあります。名称だけで優先順位を決めるのではなく、どの時点で、どの条件について、会社と応募者が合意したのかを確認することが大切です。

求人票の「想定」と労働条件通知書の「確定」を区別する

求人票に「月給25万円~35万円」「想定年収400万円~550万円」と幅がある場合、経験や役割に応じて範囲内の金額が提示されることはあります。この場合、上限額と違うことだけで条件相違とはいえません。

一方、求人票で最低月給30万円と記載されていたのに、説明なく月給26万円を提示された場合や、「固定残業代なし」と書かれていたのに通知書で固定残業代が含まれている場合は、実質的な変更として理由と内訳を確認すべきです。

求人票と労働条件通知書が違うのは違法?

結論からいえば、内容が違うという事実だけで、すべてのケースが直ちに違法になるとは限りません。厚生労働省のQ&Aでは、求人票や求人広告は一般的に応募を誘う情報であり、記載された条件が直ちに個別の労働契約内容になるわけではないと説明されています。

ただし、企業が募集時に示した条件を変更、特定、削除、追加する場合は、職業安定法に基づき、その変更内容を求職者へ明示する必要があります。また、採用時の話し合いで別の条件へ合意したと認められる事情がなければ、求人時の条件が契約内容と判断される可能性があることも、厚生労働省のQ&Aで示されています。

したがって、次の2点を分けて考えます。

  • 条件を変更すること:個別の評価や配属変更などにより、説明と合意を経て変更される場合がある
  • 変更を説明しないこと:応募者が認識できないまま、募集時と異なる条件を提示するのは問題になり得る

労働契約を結ぶ際には労働条件の明示が必要

会社は労働契約を結ぶ際、賃金、労働時間、勤務地、業務内容などの労働条件を明示する必要があります。重要事項は原則として書面などで明示されます。採用担当者から「求人票を見れば分かる」「詳細は入社後」とだけ言われた場合は、最終条件を記載した書面を求めましょう。

入社後の実態が明示された条件と違う場合

労働基準法第15条では、明示された労働条件が事実と異なる場合、労働者は即時に労働契約を解除できるとされています。ただし、どの説明が契約上の明示条件に当たるか、実態とどの程度違うかは個別事情によって判断が変わります。

「求人票と少し表現が違うから、連絡せず即日退職できる」と自己判断するのは避けてください。まず通知書どおりの履行を会社へ求め、解決しない場合は証拠を持って労働局、労働基準監督署、弁護士などへ相談するのが安全です。

求人票と違うと問題になりやすい7つの項目

表現の違いではなく、働き方や収入を実質的に変える相違へ注意します。

項目 相違の例 確認する内容
給与 求人票の最低額より基本給が低い 基本給、手当、賞与、年収計算の内訳
固定残業代 求人票にない固定残業代が月給へ含まれている 金額、対応時間数、超過分の支給
雇用形態 正社員募集だったが有期契約社員として提示された 契約期間、更新基準、正社員への切替条件
仕事内容 企画職採用の説明から営業中心へ変わった 配属直後の業務、業務割合、変更範囲
勤務地 転勤なしの求人だったが全国転勤ありと記載された 雇入れ直後の勤務地、将来の変更範囲、出向
労働時間・休日 土日祝休みの説明からシフト制へ変わった 始業・終業、休憩、休日、年間休日、夜勤
試用期間 求人票に記載のない試用期間中の減給がある 期間、給与差、手当、社会保険、本採用条件

年収が同じでも基本給の差を確認する

求人票と通知書の想定年収が同じでも、基本給が低く、固定残業代や変動賞与の割合が高くなっていることがあります。毎月確実に支払われる金額、業績によって変わる金額、残業への対価を分けて比較しましょう。

「会社の定める業務・事業所」の範囲を確認する

2024年4月から、募集時と労働契約締結時には、業務内容と就業場所について将来の変更範囲も明示対象となっています。「会社の定める業務」「会社の定める事業所」と広く書かれている場合は、全国転勤、異職種への配置転換、グループ会社への出向など、実際に想定される範囲を質問してください。

内定承諾前に条件の違いが分かった場合の5ステップ

1. 求人票を画面保存する

求人ページは募集終了後に削除・更新されることがあります。ページ全体の画面保存、PDF保存、URL、閲覧日を残しましょう。求人票を紙でもらっている場合は原本を保管し、スキャンや写真でも控えを作ります。

2. 相違点を一項目ずつ表にする

「全体的に条件が悪い」と伝えるのではなく、求人票、面接説明、通知書を横に並べます。

確認項目 求人票・面接の説明 労働条件通知書 質問
基本給 月給30万円、固定残業代なし 基本給25万円、固定残業代5万円 固定残業代へ変更された理由と対応時間数は何か
勤務地 大阪勤務、転勤なし 会社の定める事業所 大阪府外への転勤も変更範囲に含まれるか
仕事内容 Webマーケティング 営業および関連業務 入社直後の主業務と配属部署は何か

3. 記載ミスか条件変更かを確認する

採用担当者へ、どちらが最終条件か、なぜ違いが生じたかを質問します。担当者が口頭で「求人票が正しい」と答えた場合も、修正された労働条件通知書を受け取るまで確認を終えないでください。

4. 回答期限の延長を相談する

企業からの回答待ちで内定期限が近づく場合は、「相違点への回答と修正版を確認してから判断したい」と伝え、期限延長を相談します。条件が確定していない状態で、返答期限だけを理由に承諾する必要はありません。

5. 修正版を基準に承諾・交渉・辞退を決める

変更理由に納得し、新しい条件でも働きたいなら承諾できます。希望条件を下回る場合は、求人票とこれまでの説明を根拠に交渉します。重要条件が合わない、説明が一貫しない、修正書面を出さない場合は辞退も検討しましょう。

企業の回答 判断の目安
記載ミスを認め、速やかに書面を修正した 修正版と他条件を確認して承諾を検討する
変更理由と新条件を具体的に説明した 変更後の条件を受け入れられるかで判断する
口頭では訂正するが書面を変更しない 書面化されるまで承諾を保留する
理由を説明せず承諾だけを急がせる 入社後の労務管理も含め慎重に判断する
雇用形態や給与など譲れない条件が違う 交渉で解決しなければ辞退を検討する

求人票との違いを承諾前に確認するメール例文

企業を責める書き方ではなく、事実、確認したい点、希望する対応を簡潔に記載します。複数項目がある場合は番号を付けましょう。

給与や仕事内容の相違を確認する例文

件名:ご提示いただいた労働条件についての確認(氏名)

株式会社〇〇
採用ご担当者様

お世話になっております。〇〇です。
このたびは内定ならびに労働条件通知書をご提示いただき、誠にありがとうございます。

入社後の認識相違を避けるため、以下の2点を確認させていただきたく、ご連絡いたしました。

1. 求人票では月給30万円、固定残業代なしと記載されていましたが、通知書では基本給25万円、固定残業代5万円となっています。変更理由と、固定残業代に対応する時間数をご教示いただけますでしょうか。

2. 面接ではWebマーケティング業務が中心と伺いましたが、通知書では「営業および関連業務」と記載されています。入社直後の配属部署と主な業務内容をご教示ください。

貴社への入社を前向きに検討しており、最終条件を正確に理解したうえで回答したいと考えております。お手数をおかけしますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。

氏名

修正版の書面を依頼する例文

件名:労働条件通知書の修正に関するお願い(氏名)

株式会社〇〇
採用ご担当者様

お世話になっております。〇〇です。
先ほどは労働条件についてご説明いただき、ありがとうございました。

ご説明では、入社時の勤務地は大阪支店であり、転居を伴う転勤は予定していないとのことでした。最終的な合意内容を確認し、入社後の認識を一致させるため、該当内容を反映した労働条件通知書をご共有いただくことは可能でしょうか。

修正版を確認後、内定について回答いたします。ご多忙のところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願いいたします。

氏名

条件が合わず内定を辞退する例文

件名:内定辞退のご連絡(氏名)

株式会社〇〇
採用ご担当者様

お世話になっております。〇〇です。
このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。

ご提示いただいた最終的な労働条件を慎重に検討いたしましたが、転職において希望する条件との相違があり、誠に勝手ながら内定を辞退させていただきたく存じます。

選考にお時間を割いていただいたにもかかわらず、このような結果となり申し訳ございません。面接の機会をいただきましたことに、心より御礼申し上げます。

末筆ながら、貴社のますますのご発展をお祈り申し上げます。

氏名

内定承諾後・入社前に条件の違いが分かった場合

承諾後に違いを見つけた場合は、放置せず直ちに採用担当者へ連絡します。内定承諾の方法や通知内容によっては、入社前でも労働契約が成立していると判断される可能性があります。そのため、「まだ働いていないから何をしても問題ない」と考えず、合意した条件の確認として進めます。

  1. 承諾前に受け取った求人票、通知書、メールを時系列に並べる
  2. 自分が何を確認し、どの条件へ承諾したかを整理する
  3. 新たに示された条件との違いを文書で指摘する
  4. 当初の合意どおりの条件または修正版の書面を求める
  5. 解決しない場合は、入社するか辞退するかを専門窓口への相談も踏まえて判断する

現職の退職、転居、社宅解約などがまだ確定していなければ、問題が解決するまで追加の手続きを止めます。すでに費用負担や退職手続きが生じている場合は、その記録も保存してください。

承諾後に条件変更を伝えられた場合のメール例文

件名:内定承諾時の労働条件に関する確認(氏名)

株式会社〇〇
採用ご担当者様

お世話になっております。〇月〇日に内定を承諾しました〇〇です。

本日ご共有いただいた書類を確認したところ、内定承諾時の労働条件通知書では月給30万円と記載されていましたが、新しい書面では月給26万円となっておりました。

私は月給30万円の条件を前提に内定を承諾しております。今回の変更理由と、当初ご提示いただいた条件で入社できるかをご確認いただけますでしょうか。

入社後の認識相違を避けるため、最終的な条件を書面でご回答いただけますと幸いです。何卒よろしくお願いいたします。

氏名

入社後に労働条件や仕事内容が違った場合の対処法

入社後は、求人票だけでなく、労働条件通知書や雇用契約書と実際の勤務を比較します。「想像していた雰囲気と違う」といった主観的な不一致と、給与、労働時間、勤務地、雇用形態などの客観的な相違を分けてください。

1. 実態を記録する

給与が違うなら給与明細、勤務時間が違うなら出退勤記録、休日が違うならシフト表、仕事内容が違うなら業務指示メールを保存します。口頭指示を受けた場合は、日付、場所、発言者、内容をその日のうちにメモしましょう。

2. 会社へ通知書どおりの履行を求める

まず上司または人事へ、「労働条件通知書のどの項目と実態が違うか」を具体的に伝え、訂正を求めます。給与計算の入力ミスや配属手続きの遅れなど、会社側が認識していない問題であれば、この段階で解決する場合があります。

件名:労働条件通知書と勤務実態の相違について(氏名)

人事ご担当者様

お世話になっております。〇〇部の〇〇です。

入社時に交付された労働条件通知書と現在の勤務実態について、確認をお願いしたくご連絡いたしました。

通知書には始業時刻9時と記載されていますが、配属後は毎日8時30分までに出社し、朝礼と業務準備を行うよう指示を受けています。8時30分から9時までの取扱いと、今後の勤務時間についてご確認いただけますでしょうか。

認識相違を避けるため、書面またはメールでご回答いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。

氏名

3. 解決しなければ外部へ相談する

会社が回答しない、書面どおりに是正しない、不利益な扱いを示唆する場合は、資料を整理して外部窓口へ相談します。退職、損害賠償、未払い賃金などの判断は事情によって変わるため、行動する前に相談すると安全です。

求人条件の相違で保存すべき証拠チェックリスト

企業へ確認したり相談機関へ説明したりする際は、「記憶」だけでなく、時系列が分かる資料が重要です。

保存するもの 確認できる内容 保存方法
求人票・募集ページ 応募時の給与、職種、勤務地、雇用形態 ページ全体の画面保存、PDF、URL、閲覧日
スカウト文・紹介メール 企業や紹介担当者が提示した条件 送受信日時が分かる状態で保存
面接メモ 口頭説明、質問への回答、発言者 面接日、担当者名、発言内容を記録
内定通知書 内定日、回答期限、入社予定日 原本とデータの両方を保管
労働条件通知書・雇用契約書 会社が個別に明示した最終条件 修正前後の版を上書きせず保存
確認メール・チャット 相違への説明、訂正、合意内容 添付ファイルを含めて保存
給与明細・勤怠・シフト 入社後の給与、勤務時間、休日の実態 会社アカウントを失う前に適切に保管
発生した費用の領収書 転居や入社準備による支出 日付と支払目的が分かる形で保管

会社の機密情報や個人情報を無断で持ち出すことは避け、自分の労働条件と勤務実態を確認するために必要な範囲で保存してください。録音について判断に迷う場合は、方法や利用目的を専門家へ相談しましょう。

条件の違いと合わせて注意したい会社の対応

記載ミスはどの会社でも起こり得ます。会社を見極める材料になるのは、相違そのものだけでなく、指摘後の対応です。次の行動が重なる場合は慎重に判断しましょう。

  • 変更理由を質問しても具体的に答えない
  • 「求人票は広告だから関係ない」と説明を打ち切る
  • 口頭では希望条件を約束するが、書面を修正しない
  • 固定残業代の金額や対応時間数を示さない
  • 正社員から契約社員への変更を、承諾直前まで伝えない
  • 条件を確認する時間を与えず、その場で署名を求める
  • 質問するたびに採用担当者や上司の回答が変わる
  • 入社後に「実際は全員この働き方」と書面と違う勤務を当然視する
  • 外部へ相談しないよう圧力をかける

誤りを認め、理由を説明し、速やかに書面を修正する会社であれば、単純な事務ミスとして解決できる場合があります。反対に、質問を封じたり記録を残さなかったりする姿勢は、入社後の労務管理を考えるうえでも重要な判断材料です。

求人票と実際が違う場合の相談先

相談先は、求人を見つけた場所と、問題が起きた時期によって異なります。

状況 主な相談先 相談できる内容
ハローワーク求人が実際と違う 担当ハローワーク、ハローワーク求人ホットライン 求人内容の事実確認や企業への必要な指導
転職サイトの求人が違う 掲載サイトの問い合わせ窓口 掲載内容の確認、企業への照会
転職エージェント経由で条件が違う 担当者とサービス運営窓口 求人票、企業説明、提示条件の照合と交渉
入社後の条件相違や労働トラブル 総合労働相談コーナー 募集・採用、賃下げ、配置転換など幅広い相談
賃金・労働時間など法令違反の疑い 労働基準監督署、都道府県労働局 適用法令や担当部署の確認
契約解除や損害賠償を具体的に検討 弁護士、法テラスなど 個別資料に基づく法的判断

ハローワーク求人ホットライン

ハローワークやハローワークインターネットサービスの求人内容が実際と違う場合は、ハローワーク求人ホットラインへ申し出られます。2026年9月14日時点の案内は、電話03-6858-8609、受付時間は8時30分から17時15分までで、年末年始を除きます。最新情報は公式ページで確認してください。

労働条件相談ほっとライン

平日夜間や土日・祝日に労働条件を相談したい場合は、厚生労働省委託事業の労働条件相談ほっとラインがあります。2026年9月14日時点の日本語窓口は0120-811-610で、平日は17時から22時、土日・祝日は9時から21時です。12月29日から1月3日までは除かれます。匿名・無料で相談できますが、この窓口自体が会社へ指導するものではありません。

求人票と労働条件通知書の違いに関するよくある質問

求人票と労働条件通知書はどちらが優先されますか?

書類名だけで一律に決まりません。求人票は募集段階の情報であり、労働条件通知書は個別の最終条件を明示する書面です。ただし、企業が求人時の条件を変更する場合は変更内容の明示が必要で、説明や合意がない相違は問題になり得ます。どの条件に合意したかを時系列で確認してください。

求人票より給与が低くても違法ではないのですか?

経験や役割に応じ、求人票に記載された範囲内で個別の金額が決まる場合はあります。一方、最低額を下回る、固定残業代の扱いが変わるなど実質的な変更がある場合は、理由と変更内容を確認します。虚偽表示や説明のない変更が疑われる場合は、求人媒体や公的窓口へ相談してください。

労働条件通知書に署名した後でも訂正を求められますか?

相違に気づいたら、署名後でも早急に会社へ確認してください。ただし、署名した書面が合意内容を示す重要な資料になる場合があります。求人票や事前メールと明確に違い、変更説明を受けていない場合は、資料をそろえて専門窓口へ相談しましょう。

正社員募集なのに契約社員を提示されたらどうしますか?

雇用形態、契約期間、更新基準、正社員への切替条件を確認します。「最初だけ契約社員」と説明された場合も、切替時期や条件を書面で確認してください。希望と合わなければ、承諾前に交渉または辞退を判断します。ハローワーク求人であれば窓口へ申し出ることもできます。

試用期間だけ給与が低いのは問題ですか?

試用期間中に異なる条件を設定する場合でも、その期間と条件は募集時や労働契約締結時に明示される必要があります。求人票や面接で説明がなく、通知書で初めて減額を知った場合は、変更理由、金額、適用期間を確認してください。

口頭で「求人票どおりにする」と言われれば承諾してよいですか?

口頭回答だけで承諾せず、合意した内容を反映した労働条件通知書や雇用契約書を受け取りましょう。書面を修正できないと言われた場合は、少なくとも会社から正式なメールで最終条件を回答してもらい、通知書との不一致を残さないよう依頼します。

求人ページのスクリーンショットは保存した方がよいですか?

保存をおすすめします。募集終了や更新で内容が見られなくなる場合があるため、ページ全体、URL、閲覧日、会社名、求人番号が分かる形で保存してください。転職エージェントから受け取った求人票や紹介メールも一緒に残します。

入社後に仕事内容が違ったらすぐ辞められますか?

明示された労働条件と事実が異なる場合、労働基準法第15条に基づく契約解除が問題となることがあります。ただし、どの業務まで契約内容に含まれるか、配置転換の範囲、相違の程度によって判断が変わります。記録を保存し、まず会社へ履行を求めたうえで、公的窓口や弁護士へ相談してください。

相談すると企業に自分の名前が伝わりますか?

窓口や手続きによって取扱いが異なります。匿名で一般的な相談ができる窓口もありますが、会社への事実確認や是正を求める段階では、具体的な情報が必要になる場合があります。相談時に匿名性、会社への連絡方法、不利益取扱いへの不安を先に確認しましょう。

まとめ:求人票との差を曖昧なまま承諾しない

求人票と労働条件通知書は役割が異なり、記載の違いだけで直ちにすべてが違法になるわけではありません。しかし、企業が募集時の条件を変更する場合は、その内容を応募者へ明示する必要があります。説明のない相違を「会社とはそういうもの」と受け入れず、理由と最終条件を確認しましょう。

  • 求人票、面接メモ、通知書、メールを上書きせず保存する
  • 給与、雇用形態、仕事内容、勤務地などの違いを項目別に整理する
  • 記載ミスか条件変更かを企業へ確認する
  • 合意した内容を修正版の労働条件通知書などへ反映してもらう
  • 承諾後に違いが分かった場合は直ちに文書で指摘する
  • 入社後は通知書と勤務実態を比較し、会社へ履行を求める
  • 解決しなければ求人媒体、公的相談窓口、専門家へ相談する

条件確認は、企業を疑うためではなく、双方の認識をそろえて働き始めるための手続きです。質問へ誠実に回答し、合意内容を書面へ反映するかどうかも、転職先を選ぶ重要な判断材料にしてください。

本記事は2026年9月14日時点の公的情報を基にした一般的な解説です。求人条件や労働契約の扱いは、書類、説明内容、合意の経緯などによって異なります。個別の契約解除、未払い賃金、損害賠償などは、公的相談窓口や弁護士へご相談ください。

参考資料