第一志望だと思っていた企業の内定を承諾した後で、より希望に合うオファーが届いた。あるいは、承諾後に聞いた業務内容や働き方に違和感を覚え、入社をためらうようになった。そんなとき、「今さら辞退できるのか」「損害賠償を請求されないか」と不安になるのは自然なことです。

結論からいえば、内定承諾後であっても、内定者側から辞退できる場合が一般的です。ただし、内定承諾によってすでに労働契約が成立していることがあり、雇用期間の定め、入社日までの日数、企業が負担した個別費用などによって注意点は変わります。「辞退できるから、メール一通で終わり」と考えるのも、「承諾書に署名したから絶対に辞退できない」と思い込むのも正確ではありません。

この記事では、内定承諾後に決断を見直したい転職者に向けて、辞退前の確認事項、法的な考え方、損害賠償の現実、電話とメールの例文までを実務順に解説します。

💡この記事が想定する読者
20代後半から30代で、初めて、または数回目の転職活動をしている人。
回答期限に追われて内定を承諾した後、別企業から正式なオファーが届いた人。
入社への不安が消えず、辞退したいものの法的リスクや企業の反応が怖い人。

※本記事は2026年8月30日時点の公的情報をもとにした一般的な解説です。個別の契約内容や事実関係によって結論は変わるため、紛争が予想される場合は弁護士や公的相談窓口へご相談ください。

先に結論:内定承諾後の辞退で押さえるべき4点

💡最初に押さえる結論
内定承諾後でも辞退できる場合が一般的ですが、承諾により労働契約が成立している可能性があります。
無期雇用では民法627条の「解約申入れから2週間」という一般ルールが問題になります。有期雇用、役員、公務員などは別の検討が必要です。
辞退に対する違約金をあらかじめ定めることは禁止されていますが、現実に生じた個別損害まで一律に請求できないとは限りません。
決断したら連絡を先延ばしにせず、口頭で伝えた場合も同日中にメールを送り、記録を残します。

この記事の流れ

  1. 辞退を決める前の最終確認
  2. 内定承諾と労働契約の法的整理
  3. 損害賠償を請求される可能性
  4. 企業・転職エージェントへの伝え方
  5. そのまま使える電話・メール例文
  6. トラブル時の相談先と最終チェック

辞退を決める前に確認したい5つのこと

内定辞退の連絡は、原則として取り消せない決断だと考えるべきです。罪悪感だけで迷い続ける必要はありませんが、新しいオファーへの高揚感だけで最初の内定を手放すのも危険です。まず、次の5点を確認してください。

1. 新しいオファーは書面で確定しているか

口頭で「採用予定です」と言われただけなら、最初の内定を辞退するのは早すぎます。新しい企業から内定通知書や労働条件通知書を受け取り、採用が追加承認、身元調査、資格取得、健康診断などの条件付きではないかを確認しましょう。

労働基準法15条では、労働契約の締結時に賃金、労働時間などの労働条件を明示することが使用者に求められています。少なくとも、契約期間、勤務地・業務、労働時間、休日、賃金、退職に関する事項を確認してから比較してください。

2. 年収ではなく条件全体を比較したか

基本給だけでなく、固定残業代の有無、賞与の算定、試用期間中の待遇、転勤範囲、リモートワーク、退職金、評価制度まで並べて比較します。新しい企業の提示年収が高くても、長時間労働や転勤を含めると希望に合わないことがあります。

比較項目確認する内容
報酬基本給、固定残業代、賞与、手当、退職金、株式報酬
仕事内容担当業務、期待成果、裁量、配属先、変更の範囲
働き方勤務地、転勤、出社頻度、勤務時間、休日
契約無期・有期、試用期間、入社日、採用の前提条件
将来性評価基準、昇給機会、事業の安定性、得られる経験

3. 不安は「未確認事項」か「重大なミスマッチ」か

入社前の不安は珍しくありません。配属先の雰囲気が分からない、入社後に活躍できるか心配、といった未確認事項なら、辞退前に企業へ質問することで解消できる可能性があります。一方、提示条件が選考中の説明と異なる、希望職種と実際の配属が違う、価値観の根本的な不一致があるといった問題なら、辞退を検討する合理的な理由になります。

4. 現職への退職申出はどうなっているか

すでに現職へ退職を申し出て会社が承諾している場合、「転職先を辞退したから、現職に残る」と一方的には戻せません。厚生労働省の解説でも、合意退職が承認された後や任意退職の申入れ後に撤回するには、会社の同意が必要になる場合があると説明されています。転職先の辞退と現職への残留は、別の問題として整理してください。

5. 最初の内定には戻れない前提で決めたか

辞退を伝えた後に「やはり入社したい」と申し出ても、企業が受け入れる義務はありません。最初の内定を失い、新しいオファーにも予期せぬ変更が起きる可能性はゼロではありません。最悪のケースも想定したうえで、それでも辞退するかを決めましょう。

内定承諾書に署名したら労働契約は成立するのか

内定の法的性格は、書類の名称だけで一律に決まりません。内定通知書、承諾書、誓約書の内容、その後に別の契約手続が予定されているか、企業と候補者のやり取りなどを総合して判断されます。

厚生労働省の「確かめよう労働条件」では、採用内定によって始期付解約権留保付労働契約が成立していることが多いと説明されています。簡単にいえば、入社日という開始時期と、一定の取消事由を付けて労働契約が成立している状態です。したがって、「まだ働いていないから、契約とは無関係」とは限りません。

無期雇用予定の場合

期間の定めのない雇用契約では、民法627条1項により、労働者から解約を申し入れた後、原則として2週間を経過すると契約が終了します。入社日の2週間以上前に辞退を通知できるなら、この一般ルールに沿って契約を終了できると考えられる場合が多いでしょう。

ただし、「2週間前なら何をしても問題ない」という意味ではありません。辞退が決まった時点で速やかに伝えること、個別に締結した契約や企業が負担した費用を確認することが重要です。

有期雇用予定の場合

契約期間が定められている場合は、民法628条により、期間途中の解約には「やむを得ない事由」が問題になります。入社前の辞退についても、無期雇用と同じ2週間ルールだけで処理できるとは限りません。契約社員、任期付きポジションなどで有期契約を承諾している場合は、自己判断で連絡を止めず、早い段階で弁護士や総合労働相談コーナーへ相談してください。

入社日まで2週間を切っている場合

入社日が目前でも、辞退したいならまず即日で連絡します。企業との合意により入社前に契約を終了できることはありますが、無断で初日を欠勤するのは避けるべきです。入社日、契約期間、承諾書の内容を示したうえで、専門家に相談すると安全です。

状況基本的な考え方推奨対応
無期雇用・入社まで2週間以上民法627条の一般ルールを検討決断後すぐ通知し、同日中に記録を残す
無期雇用・入社まで2週間未満企業との合意や個別事情が重要即日連絡し、必要なら専門家へ相談
有期雇用民法628条の「やむを得ない事由」が問題契約書を確認し、早めに法律相談
すでに研修・就労を開始通常の退職手続としての検討が必要内定辞退ではなく退職として対応

損害賠償は請求される?違約金との違いを整理

内定承諾後の辞退を伝えると、「違約金を払ってもらう」「採用費用を請求する」と言われることがあります。しかし、企業がそう主張したからといって、直ちに支払義務が確定するわけではありません。

あらかじめ決めた違約金・賠償額は認められない

労働基準法16条は、労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額をあらかじめ予定したりする契約を禁止しています。「入社を辞退したら一律50万円」「1年以内に辞めたら研修費100万円」といった定めで、労働者の退職を不当に拘束することはできません。

現実に生じた損害まで自動的に免除されるわけではない

一方で、労働基準法16条が禁じているのは、損害額を事前に固定することです。故意や過失による現実の損害について、あらゆる請求を禁止しているわけではありません。厚生労働省も、内定者側の辞退は基本的に問題ないものの、著しく信義則に反する場合には損害賠償を求められる可能性があると説明しています。

次のような支出がある場合は、返還条項や合意内容を確認してください。

  • 入社を前提に先払いされたサインオンボーナスや支度金
  • 候補者個人のために企業が負担した引越費用、渡航費、ビザ関連費用
  • 候補者の特別な依頼で購入した機材やライセンス
  • 返還条件に同意して参加した外部研修や資格取得費用
  • 会社名義で契約した社宅などに解約費用が発生している場合

これらがあるからといって、企業の請求が当然に認められるわけではありません。請求を受けたら、金額、法的根拠、損害の内訳を文書で求め、すぐに支払ったり、責任を認める書面へ署名したりしないでください。

企業からの主張確認すべきこと
辞退の違約金金額を事前に固定した条項ではないか。労働基準法16条との関係を確認
通常の採用費広告費や面接担当者の人件費など、通常の採用活動に伴う費用か
候補者固有の実費何に、いつ、いくら支出し、返還合意があるか
弁護士名の通知書放置せず、期限と請求根拠を確認して弁護士へ相談

企業への連絡は「電話が先」より「早さと記録」が重要

内定承諾後の辞退では、可能であれば採用担当者へ電話で直接伝え、その日のうちにメールを送るのが丁寧です。ただし、電話がつながるまで何日も待つのは逆効果です。担当者が不在ならメールを先に送り、折り返し可能な時間を示しましょう。

直接応募の場合

採用担当者へ、決断した当日のできるだけ早い時間に連絡します。電話では、結論、謝罪、決意が変わらないことの3点を簡潔に伝えます。その後、同日中にメールで事実関係を残してください。

転職エージェント経由の場合

まず転職エージェントへ連絡し、企業への連絡方法を確認します。エージェントには、辞退を決めたこと、理由の要点、企業へ伝えてほしい内容を明確に共有してください。言いにくいからといって連絡を先延ばしにすると、企業とエージェントの双方に損失が広がります。

電話で威圧的な対応を受けた場合

怒鳴られる、長時間拘束される、脅されるなど、安全に会話を続けられない場合は、無理に電話へこだわる必要はありません。「辞退の意思は変わりません。今後の連絡はメールでお願いいたします」と伝えて通話を終え、日時と発言内容を記録してください。以後はメールなど証拠が残る方法で対応し、必要に応じて専門家へ相談します。

辞退理由は短く、事実に沿って伝える

辞退理由を詳細に説明する法的義務が常にあるわけではありません。別の企業へ入社する場合でも、企業名や提示年収まで伝える必要はありません。

伝える内容は、「改めてキャリアを検討し、別の選択をする決断に至った」程度で十分です。条件面の不満を列挙すると、反論やカウンターオファーの余地を広げます。家族の反対や健康問題を作り話にするのも避けましょう。短くても、事実に沿った説明の方が信頼を守れます。

💡辞退理由の基本形
承諾後に改めて今後のキャリアを検討した結果、別の環境を選ぶ決断に至りました。
詳細な比較条件や他社名の開示は控えますが、熟考したうえでの最終決定です。
ご迷惑をおかけすることをお詫びし、入社準備に伴う必要な手続には速やかに対応します。

内定承諾後に辞退する5つの手順

ステップ1:新しいオファーと契約書類を確認する

新しい企業の内定通知書と労働条件通知書を確認し、採用条件が確定していることを確かめます。最初の企業の内定通知書、承諾書、誓約書、支度金や研修に関する合意書も手元に集めてください。

ステップ2:辞退の決断と理由を一文にする

交渉の余地を残さないため、「他社と迷っている」ではなく「辞退を決断した」と言い切れる状態にします。理由は一文で伝えられる程度に整理しましょう。

ステップ3:採用担当者またはエージェントへ即日連絡する

直接応募なら採用担当者、紹介経由なら転職エージェントへ連絡します。企業の営業時間内が望ましいものの、時間帯を気にして翌日以降へ先送りするより、まずメールで知らせる方が誠実です。

ステップ4:同日中にメールで正式に通知する

電話で伝えた場合も、辞退の意思、連絡日、謝意が分かるメールを送ります。企業から返信があれば、返却物や費用精算など必要な手続を確認してください。

ステップ5:書類・返却物・やり取りを保存する

内定通知書、承諾書、労働条件通知書、メール、チャット、費用の領収書などを保存します。会社からPC、スマートフォン、社員証、資料などを受け取っている場合は、追跡可能な方法で速やかに返却しましょう。

そのまま使える電話のトークスクリプト

採用担当者へ直接伝える場合

お世話になっております。先日、内定を承諾いたしました〇〇〇〇です。採用ご担当の〇〇様はいらっしゃいますでしょうか。

大変申し上げにくいのですが、内定辞退のご連絡でお電話いたしました。承諾後に改めて今後のキャリアを慎重に検討した結果、誠に勝手ながら、貴社への入社を辞退する決断に至りました。

入社準備を進めていただいている中、このようなご連絡となり、深くお詫び申し上げます。ご迷惑をおかけしますが、辞退の意思は変わりません。必要な手続や返却物がございましたら、速やかに対応いたします。

詳しい理由や他社名を求められた場合

お尋ねいただいたところ恐縮ですが、個別の企業名や条件の詳細は差し控えさせてください。自分の中長期的なキャリアを再検討したうえでの最終決定です。ご期待に沿えず、申し訳ございません。

損害賠償を示唆された場合

ご迷惑をおかけすることは承知しております。金銭のお話につきましては、請求の根拠、契約上の条項、金額の内訳を書面でお送りいただけますでしょうか。内容を確認したうえで、必要に応じて専門家へ相談して対応いたします。

この場で支払を約束したり、自分に全面的な責任があると認めたりする必要はありません。謝罪と法的責任の承認は別のものとして扱いましょう。

内定承諾後の辞退メール例文

電話後に送る正式なメール

件名:内定辞退のご連絡(氏名)

株式会社〇〇
人事部 〇〇様

お世話になっております。〇〇〇〇です。

先ほどお電話でお伝えいたしましたとおり、誠に勝手ながら、貴社の内定を辞退させていただきたく、改めてご連絡申し上げます。

一度は内定を承諾した後、改めて今後のキャリアについて慎重に検討した結果、別の選択をする決断に至りました。入社に向けた準備を進めていただいている中、多大なご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。

選考を通じて貴重なお時間をいただき、また高い評価を賜りましたことに、心より感謝しております。貸与品の返却や必要な手続がございましたら、速やかに対応いたしますので、ご指示いただけますと幸いです。

何卒ご理解賜りますよう、お願い申し上げます。

氏名
電話番号
メールアドレス

電話がつながらない場合に先に送るメール

件名:【至急】内定辞退に関するご連絡(氏名)

株式会社〇〇
人事部 〇〇様

お世話になっております。〇〇〇〇です。

本日お電話いたしましたが、ご不在でしたため、取り急ぎメールにてご連絡いたします。誠に勝手ながら、慎重に検討した結果、先日承諾した内定を辞退させていただきたく存じます。

承諾後の申し出となり、多大なご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。詳細は直接お伝えしたく、本日〇時以降、または明日〇時から〇時までお電話が可能です。

まずはご連絡を急ぐべきと考え、メールにて失礼いたしました。何卒よろしくお願い申し上げます。

氏名
電話番号
メールアドレス

転職エージェントへ送るメール

件名:〇〇社の内定辞退について(氏名)

〇〇様

お世話になっております。〇〇〇〇です。

大変申し上げにくいのですが、先日承諾した〇〇社の内定について、辞退を決断しました。承諾後に改めてキャリアと条件を総合的に検討した結果、別の選択をすることにいたしました。

企業様にも〇〇様にも多大なご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。辞退の意思は固まっておりますので、可能な限り早く企業様へお伝えいただけますでしょうか。私から直接連絡すべき場合は、連絡先と方法をご指示ください。

何卒よろしくお願い申し上げます。

内定辞退でよくある疑問

メールだけで辞退してもよいですか

メールでも辞退の意思を伝えることはできます。承諾後であれば、電話で伝えてメールで記録を残す方法が丁寧ですが、電話がつながらない、安全に会話できない、海外企業で連絡方法がメール指定といった事情があれば、メールを優先してください。大切なのは、連絡を遅らせず、意思を明確にし、到達を確認できる形にすることです。

他社名や提示年収を伝える必要はありますか

通常、伝える必要はありません。詳細を伏せたまま、「キャリアを再検討した結果、別の選択をした」と説明できます。ただし、嘘の理由を作るのは避けましょう。

内定辞退をすると業界のブラックリストに載りますか

一般企業間で内定辞退者の情報を自動的に共有する公的な仕組みはありません。一方、辞退した企業や同じ企業グループ、利用した転職エージェントが対応履歴を社内記録として保有することは考えられます。だからこそ、無断で連絡を絶たず、早く誠実に伝えることが将来の関係を守ります。

明日が入社日でも辞退できますか

無断欠勤はせず、今日中に企業へ連絡してください。入社まで2週間を切っているため、企業との合意や契約内容の確認が重要です。有期雇用、支度金、引越費用などが絡む場合は、連絡と並行して専門家へ相談しましょう。

承諾した企業から引き止められたらどうしますか

決断が固まっているなら、「評価していただきありがとうございます。ただ、条件交渉ではなく、キャリアの方向性を考えた最終決定です」と繰り返します。再交渉の余地を示す「少し考えます」という返答は避けましょう。

最初の企業に再び応募できますか

応募自体を一律に禁じるルールはありませんが、再選考される保証はありません。企業の採用方針や辞退時の対応によって判断されます。将来の可能性を残す意味でも、早期連絡と丁寧な対応が重要です。

すぐ専門家へ相談した方がよいケース

  • 有期雇用の契約を承諾している
  • 入社日まで2週間を切っている
  • すでに研修、業務、入社手続の一部を開始している
  • 支度金、引越費用、社宅、ビザ、特別な研修費などが発生している
  • 企業から損害賠償、違約金、法的措置を文書で通知された
  • 暴言、脅迫、長時間の拘束などを受けている
  • 役員、公務員など、一般の会社員と異なる立場で採用される

厚生労働省の総合労働相談コーナーは、募集・採用を含む幅広い労働問題を対象とし、電話または面談で、予約不要・無料の相談を受け付けています。金銭請求や契約解釈が争点になる場合は、弁護士へ相談する方が適切です。

辞退連絡前の最終チェックリスト

💡送信・電話の前に確認
新しい企業の正式な内定通知書と労働条件通知書を受け取った。
無期・有期の別、入社日、採用条件を確認した。
最初の企業の承諾書、誓約書、支度金などの返還条項を確認した。
一時的な不安ではなく、辞退後に戻れない前提で決断した。
辞退理由を一文で説明でき、他社名や条件を話しすぎない準備をした。
連絡後に送るメールを用意し、やり取りを保存できる状態にした。

まとめ:辞退の誠実さは、早さ・明確さ・後処理で決まる

内定承諾後の辞退は、企業へ負担をかける行為ではあります。しかし、迷いを抱えたまま入社し、短期間で退職することが、双方にとってより大きな損失になる場合もあります。必要なのは、自分を責め続けることではなく、事実を確認し、決断の責任を引き受けて行動することです。

まず新しいオファーが書面で確定しているかを確認し、最初の企業との契約内容、雇用期間、入社日までの日数、個別費用を整理してください。辞退すると決めたら、連絡を一日でも早く行い、簡潔な謝罪と最終意思を伝え、メールで記録を残します。

企業から金銭請求や脅しを受けた場合は、その場で支払を約束せず、根拠と内訳を文書で求めましょう。内定辞退は感情だけで処理する問題ではありません。法的な枠組みと実務上の誠意を分けて考えることが、あなたのキャリアと信頼を守る最善の方法です。


参考にした公的情報