本来、事務職はワークライフバランスが取りやすい職種として人気があります。しかし実際には、企業や部署によって労働環境に大きな差があるのが現実です。
この記事では、激務の事務職から抜け出し、本当にワークライフバランスが取れる環境に転職するための戦略を解説します。企業の見極め方から、面接での伝え方まで、実践的なノウハウをお届けします。
目次
1. 事務職なのに激務になる理由
2. ワークライフバランスが取れる企業の見極め方
3. おすすめの転職先【業界・職種別】
4. 転職を成功させる3つのポイント
5. 面接でワークライフバランスを伝える方法
6.まとめ
事務職なのに激務になる理由
まず理解しておきたいのは、「事務職=楽」ではないということです。
事務職の平均残業時間は月11時間程度と少なく、ワークライフバランスが取りやすい職種として知られています。しかし、これはあくまで平均値。企業や部署によっては、月40時間以上の残業が常態化しているケースもあるんです。
人手不足で業務が集中
事務職が激務化する最大の理由は、人手不足です。事務職は企業の利益に直結しない間接部門と見なされがちで、人員を最小限に抑えられる傾向があります。
本来2〜3人で回すべき業務を1人で担当させられる。営業部門が拡大しても、サポートする事務スタッフは増えない。こうした状況で、必然的に1人あたりの業務量が膨れ上がってしまうんです。
業務範囲が曖昧で何でも屋に
「事務職だから」という理由で、本来の業務範囲外の仕事まで押し付けられるケースも多いです。来客対応、電話応対、備品管理、社内イベントの準備。さらには営業のサポート、経理の補助、人事業務の手伝いまで。
業務範囲が明確でないため、「困ったら事務に頼む」という風土ができあがり、何でも屋状態になってしまいます。
急な対応が多くペースを作れない
営業職のサポートをする営業事務の場合、急な資料作成や見積もり対応が頻繁に発生します。計画的に業務を進めようとしても、突発的な依頼で中断させられる。結果として、定時後に本来の業務をこなすことになり、残業が増えてしまうんです。
・営業事務や秘書など、急な対応が多い職種
・ベンチャー企業や成長企業で、組織が追いついていない
・人員削減で少数精鋭を謳っている企業
これらの環境では、どれだけ効率化しても激務から抜け出すのは困難です。環境そのものを変える、つまり転職を検討する必要があります。
ワークライフバランスが取れる企業の見極め方
転職活動では、企業選びが最も重要です。「事務職募集」という求人だけを見て応募すると、また激務の環境に入ってしまう可能性があります。
平均残業時間を必ず確認する
求人票に記載されている平均残業時間は、最も分かりやすい指標です。月20時間以内であれば、比較的ワークライフバランスが取りやすいと判断できます。
ただし注意点があります。「残業ほぼなし」と書いてあっても、実際にはサービス残業が常態化しているケースもあります。面接では、「実際の平均残業時間はどのくらいですか」と具体的に質問してください。
年間休日数と有給取得率を見る
年間休日120日以上が目安です。さらに、完全週休2日制か週休2日制かの違いも重要。完全週休2日制なら毎週2日休めますが、週休2日制は「月に1回以上、週2日休める週がある」という意味なので、注意が必要です。
有給取得率も重要な指標です。取得率50%以上であれば、有給が取りやすい環境だと言えます。企業の採用ページやOpenWorkなどの口コミサイトで確認しましょう。
リモートワークやフレックス制度の有無
柔軟な働き方ができる制度があるかどうかも、ワークライフバランスを左右します。リモートワークが可能なら通勤時間を削減でき、フレックスタイム制があれば自分のペースで働けます。
事務職でもリモートワーク可能な企業は増えています。書類のデジタル化が進んでいる企業ほど、リモートワークに対応しやすい環境です。
企業規模と業務の明確さ
大企業や上場企業は、業務が細分化され、1人あたりの業務範囲が明確になっている傾向があります。研修制度も整っており、業務の引き継ぎもスムーズです。
逆にベンチャー企業や中小企業では、1人で複数の役割を担うことが多く、業務範囲が曖昧になりがち。成長意欲がある人には魅力的ですが、ワークライフバランスを重視するなら慎重に判断してください。
・月の平均残業時間(20時間以内が目安)
・
年間休日数(120日以上)と有給取得率(50%以上)
・
リモートワークやフレックスなど柔軟な働き方の制度
これらを満たす企業なら、ワークライフバランスを実現できる可能性が高いです。
おすすめの転職先【業界・職種別】
事務職からの転職で、ワークライフバランスが取りやすい業界と職種をご紹介します。
大手メーカーの一般事務
日系大手メーカーは、事務職のワークライフバランスが最も取りやすい環境の一つです。業務が細分化されており、残業も少なめ。福利厚生も充実しています。
製造業は土日休みが基本で、年間休日も多め。有給も取りやすく、長期休暇も計画的に取得できます。ただし、年収は月25〜35万円程度と、営業職に比べると控えめです。
金融機関(銀行・保険)の事務職
銀行や保険会社の事務職も、ワークライフバランスが取りやすい職種です。窓口業務は営業時間が決まっているため、突発的な残業が少なく、定時で帰りやすい環境です。
ただし、決算期や月末月初は忙しくなる傾向があります。繁忙期と閑散期のメリハリがあるため、計画的に休みを取りやすいのも特徴です。
IT・SaaS企業のカスタマーサポート
意外かもしれませんが、IT業界のカスタマーサポートもおすすめです。リモートワークが普及しており、柔軟な働き方ができます。
事務作業も多く、事務職からの転職もしやすい職種です。年収も事務職より高めで、月25〜40万円程度が相場。スキルアップの機会も多く、キャリアの選択肢も広がります。
大学や公的機関の事務職
大学職員や公的機関の事務職は、最もワークライフバランスが取りやすい職種の一つです。年間休日が多く、夏季休暇や年末年始の休暇もしっかり取れます。
残業も少なく、定時退社が基本。ただし人気が高く、競争率が高いのが難点です。求人が出たタイミングを逃さないよう、転職エージェントに登録して情報を集めておくことをおすすめします。
経理・人事などの専門事務
一般事務から専門性の高い事務職にキャリアアップする選択肢もあります。経理や人事は、繁忙期以外はスケジュールを自分でコントロールしやすく、ワークライフバランスが取りやすい職種です。
専門スキルを身につければ、年収アップも期待できます。簿記2級やキャリアコンサルタントなどの資格を取得すれば、未経験からでも転職のチャンスが広がります。
転職を成功させる3つのポイント
ワークライフバランス重視の転職を成功させるには、準備が必要です。
ポイント1:転職理由を明確にする
「激務だから辞めたい」という理由だけでは、面接で良い印象を与えられません。なぜワークライフバランスが必要なのか、具体的な理由を用意しておきましょう。
子育てと仕事を両立したい。資格取得のための学習時間を確保したい。健康的な生活リズムを取り戻したい。こうした前向きな理由なら、面接官も納得してくれます。
ポイント2:譲れない条件を3つに絞る
ワークライフバランスを重視すると言っても、すべての条件を満たす企業はなかなか見つかりません。年収、残業時間、通勤時間、リモートワーク、休日数など、優先順位をつけて、絶対に譲れない条件を3つに絞りましょう。
例えば「月の残業20時間以内」「年間休日120日以上」「年収300万円以上」といった具合です。条件を明確にすることで、企業選びで迷わなくなります。
ポイント3:口コミサイトで実態を確認する
企業の公式情報だけでなく、OpenWorkや転職会議などの口コミサイトも必ずチェックしてください。実際に働いていた人の声を見ることで、残業時間や有給の取りやすさなど、リアルな情報が分かります。
ただし、退職した人のネガティブな意見が多い傾向もあるので、複数の口コミを見て総合的に判断することが大切です。
・前向きな転職理由を準備する(逃げではなく、実現したいことを語る)
・ 譲れない条件を3つに絞り込む
・ 口コミサイトで実態を必ず確認する
この3つを実践すれば、転職後のミスマッチを防げます。
面接でワークライフバランスを伝える方法
面接では、ワークライフバランスを重視していることを、どう伝えるかが重要です。
NGな伝え方
「ワークライフバランスを改善したいので転職します」とストレートに言うのはNGです。これだと「楽をしたいだけ」「仕事へのやる気がない」という印象を与えてしまいます。
また、「プライベートを優先したい」という言い方も避けましょう。企業側は、仕事にコミットしてくれる人材を求めているため、プライベート優先の姿勢はマイナスに捉えられます。
良い伝え方
ワークライフバランスを求める理由を、仕事にプラスになる形で伝えることがコツです。
「現職では残業が多く、睡眠時間が不十分でした。健康的な生活リズムを取り戻し、万全の体調で業務に集中できる環境で働きたいと考えています」
「資格取得のための学習時間を確保し、専門性を高めたいと考えています。御社の〇〇という制度に魅力を感じ、応募いたしました」
このように、ワークライフバランスを整えることで、仕事のパフォーマンスを上げたいという前向きな姿勢を見せることが大切です。
企業の制度に共感する形で伝える
最も効果的なのは、その企業の取り組みに共感する形で伝えることです。
「御社の『残業削減の取り組み』や『有給取得の推進』という方針に強く共感しました。効率的に業務を進め、メリハリのある働き方をしたいと考えています」
こう伝えれば、企業研究をしっかりしていることもアピールでき、ただの希望ではなく、企業の価値観と自分の考えが一致していることを示せます。
本音も適度に伝える
面接では、本音を適度に伝えることも大切です。完璧に取り繕った回答よりも、誠実に自分の状況を説明した方が、理解のある企業を見つけやすくなります。
「子育てと仕事を両立するため、残業が少ない環境で働きたいと考えています」と率直に伝えて、それを理解してくれる企業を選ぶ方が、入社後のミスマッチを防げます。
ただし、仕事への意欲も同時に伝えることを忘れずに。「限られた時間の中で、最大限のパフォーマンスを発揮します」といった前向きな姿勢を示してください。
まとめ
事務職が激務から抜け出し、ワークライフバランスの取れる環境に転職するためには、企業選びと伝え方が重要です。
平均残業時間20時間以内、年間休日120日以上、有給取得率50%以上。この3つの指標を満たす企業を選びましょう。大手メーカー、金融機関、IT企業のカスタマーサポート、大学職員などが、ワークライフバランスが取りやすい転職先です。
転職理由は、前向きに伝えることがポイント。「楽をしたい」ではなく「健康的に働きたい」「スキルアップの時間を確保したい」と、仕事にプラスになる形で説明してください。
口コミサイトで実態を確認し、面接では企業の制度に共感する形で志望動機を伝える。この戦略で、本当にワークライフバランスが取れる環境への転職を実現できます。
激務の環境から抜け出すには、環境そのものを変えるしかありません。今の職場で我慢し続けるのではなく、自分に合った働き方ができる企業を見つけてください。あなたの転職が成功することを願っています。