退社・入社の手続き

退社・入社の手続き

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📅 作成日: 2025年11月08日
✏️ 更新日: 2026年01月02日
内定おめでとうございます!しかし、転職活動はまだ終わりではありません。内定承諾から退職、そして新しい職場への入社まで、最後のステップを適切に進めることが重要です。
         
この第4部では、円満退職を実現するための退職交渉のコツ、スムーズな引き継ぎ方法、入社準備まで、転職活動の最終段階を成功させるための実践的なアドバイスを徹底解説します。

内定通知への対応

内定通知を受けたら、以下の項目を必ず確認します。

確認すべき内容
・職種・ポジション
・配属部署
・勤務地
・年収(基本給、賞与、手当の内訳)
・雇用形態(正社員、契約社員など)
・勤務時間
・休日・休暇
・福利厚生
・入社日
・回答期限

口頭での内定通知の場合も、必ず書面(メールを含む)で正式な条件を確認しましょう。

内定の保留と検討期間

即答する必要はありません。冷静に判断するための時間を確保しましょう。
💬適切な保留の仕方 ×
「ありがとうございます。大変嬉しく思います。家族とも相談したいので、○日までお時間をいただけますでしょうか」
一般的には、3日〜1週間程度の検討期間は問題ありません。ただし、あまり長く保留すると企業に不信感を与えるため、1週間を超える場合は理由を説明しましょう。

内定承諾の伝え方

内定を承諾する場合は、できるだけ早く、誠意をもって伝えます。
💬電話での伝え方 ×
「お世話になっております。内定のご連絡をいただきました山田太郎です。この度は内定をいただき、誠にありがとうございます。ぜひ貴社で働かせていただきたく、内定を承諾させていただきます。入社日まで精一杯準備し、一日も早く戦力となれるよう努力いたします。今後ともよろしくお願いいたします。」
電話で伝えた後、改めてメールでも承諾の意思を伝え、記録に残しておきましょう。

内定辞退の伝え方

複数社から内定をもらった場合や、内定後に条件面で折り合わない場合、辞退することもあるでしょう。

辞退の基本マナー
・できるだけ早く連絡する
・まずは電話で伝える
・誠意をもって謝罪する
・理由は簡潔に(詳しく説明する必要はない)
・メールでも改めて連絡する
💬電話での伝え方 ×
「お世話になっております。内定をいただきました山田太郎です。この度は貴重な機会をいただき、誠にありがとうございました。大変申し上げにくいのですが、慎重に検討した結果、今回は内定を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。貴重なお時間を割いていただいたにも関わらず、このような結果となり、誠に申し訳ございません。」
内定辞退は企業にとって損失となるため、できるだけ早めに、誠意をもって対応することが重要です。

退職の意思表示と交渉

内定を承諾したら、現在の会社に退職の意思を伝えます。これが最も気を遣う場面かもしれません。

退職を伝えるタイミング
民法では、退職の意思表示から2週間で退職できると規定されています。ただし、就業規則で1ヶ月前や3ヶ月前と定められている場合もあります。

現実的な期間
・一般的には1〜2ヶ月前の申し出が望ましい
・引き継ぎに時間がかかる場合は2〜3ヶ月前
・繁忙期は避ける
・プロジェクトの区切りを考慮する

内定先の入社日と調整しながら、現職への影響を最小限にするスケジュールを組みましょう。

退職を伝える順序


基本的な順序
・直属の上司に口頭で伝える
・人事部に正式に届け出る
・チームメンバーに伝える
・関係部署に伝える
・取引先に伝える

同僚や部下に先に話してしまうと、上司の耳に入って問題になることがあります。必ず直属の上司から伝えましょう。

上司への切り出し方

「お忙しいところ恐縮ですが、お話ししたいことがございます。少しお時間をいただけませんでしょうか」などと、アポイントを取りましょう。

会議室など、他の人に聞かれない場所で、落ち着いて話せる時間を確保しましょう。

退職の意思を伝える

「突然のご報告で申し訳ございません。実は、この度一身上の都合により、退職させていただきたくご相談に参りました。○月末での退職を希望しております。」

明確に「退職したい」と伝えることが重要です。「転職を考えている」など曖昧な表現は避けましょう。

引き止めへの対応

多くの場合、上司から引き止めを受けます。
よくある引き止めパターン

「給料を上げるから残ってくれ」
「異動させるから考え直してくれ」
「今辞められると困る」
「後任が見つかるまで待ってくれ」
「お前がいないとチームが回らない」

適切な対応

退職の意思が固い場合は、丁寧に、しかし明確に断ります。
「お気持ちは大変ありがたいのですが、熟慮の上での決断ですので、退職させていただきたいと考えております。在職中は精一杯業務に取り組み、しっかりと引き継ぎを行いますので、何卒ご理解いただけますと幸いです。」

一度引き止めを受け入れると、後から再度退職を申し出るのが難しくなります。決意が固い場合は、ブレないことが大切です。

退職理由の伝え方

退職理由は、前向きな内容で、かつ会社側が改善できない内容にすることがポイントです。
適切な退職理由

「新しい分野に挑戦したい」
「専門性を高めたい」
「キャリアアップを図りたい」
「家庭の事情で」

避けるべき退職理由

・給料への不満(改善案を出されて引き止められる)
・人間関係の問題(異動を提案される)
・残業の多さ(業務改善を約束される)

現職への不満を並べ立てるのではなく、新しい挑戦への前向きな理由を伝えましょう。

退職届の提出と手続き

口頭で退職の意思を伝えた後、正式に退職届を提出します。

退職届と退職願の違い

退職願
退職を願い出る書類。会社が承認しなければ撤回可能。

退職届
退職を通告する書類。提出後は原則撤回不可。

一般的には「退職届」を提出するケースが多いですが、就業規則に従いましょう。

退職届の書き方

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私事
この度、一身上の都合により、
令和○年○月○日をもって退職いたします。

令和○年○月○日
所属部署名
氏名 印

株式会社○○
代表取締役社長 △△殿
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

注意点
・手書きが一般的(パソコンでも可の場合もある)
・縦書きが正式だが、横書きでも可
・退職日は上司と相談して決めた日付を記載
・理由は「一身上の都合により」が一般的
・印鑑を押す(シャチハタは避ける)

退職に伴う事務手続き


会社に返却するもの
・健康保険証
・社員証・IDカード
・名刺(自分のものと受け取ったもの)
・制服・貸与品
・会社のデータ(パソコン、USBメモリなど)
・通勤定期券(会社負担の場合)
・業務用のスマートフォン・パソコン

会社から受け取るもの
・雇用保険被保険者証
・年金手帳(会社保管の場合)
・源泉徴収票
・離職票(失業保険を受給する場合)
・退職証明書(必要な場合)

これらの書類は、転職先での手続きや確定申告で必要になるため、大切に保管しましょう。

引き継ぎ資料の作成

後任者が困らないよう、詳細な引き継ぎ資料を作成します。

引き継ぎ資料に含める内容
・担当業務の一覧
・各業務の手順(フローチャート形式だと分かりやすい)
・使用するシステムやツールの説明
・ログイン情報(パスワードなど)
・担当顧客・取引先のリスト
・進行中のプロジェクトの状況
・過去のトラブル事例と対処法
・定期的な業務のスケジュール
・重要な連絡先

誰が見ても理解できるよう、専門用語には説明を加え、図や表を使って分かりやすくまとめましょう。

取引先への挨拶

退職の2〜3週間前から、重要な取引先への挨拶を始めます。

対面での挨拶

可能であれば、後任者と一緒に訪問し、直接紹介するのが理想的です。

「この度、一身上の都合により○月末で退職することとなりました。これまで大変お世話になり、ありがとうございました。後任は△△が務めさせていただきます。今後とも変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。」

メールでの挨拶

訪問が難しい場合は、メールで挨拶します。後任者のメールアドレスと連絡先も記載しましょう。

最終出社日の過ごし方

やるべきこと
・デスク周りの整理整頓
・私物の持ち帰り
・データの削除(個人的なファイル)
・貸与品の返却
・各部署への挨拶回り
・上司・同僚へのお礼

挨拶のポイント

・感謝の気持ちを伝える
・ネガティブなことは言わない
・今後の抱負を簡単に話す
・連絡先を交換する(必要に応じて)

💡挨拶の例文 ×
「○年間、大変お世話になりました。皆様から多くのことを学ばせていただき、感謝しております。新しい環境でも、ここで得た経験を活かして頑張ります。本当にありがとうございました。」

入社準備を進める

退職手続きと並行して、新しい職場への入社準備も進めましょう。

入社前に確認すべきこと
・転職先の人事担当者に、以下を確認します。
・初出社日の詳細
・出社時間
・集合場所
・服装(スーツか、オフィスカジュアルか)
・持ち物
・当日のスケジュール

事前準備
・入社書類の記入・提出
・必要な資格証明書の準備
・健康診断の受診(必要な場合)
・前職からの書類の用意

提出書類の準備
入社時に必要な書類を準備します。

・雇用契約書(署名・捺印)
・年金手帳(会社保管の場合)
・雇用保険被保険者証
・源泉徴収票(前職のもの)
・給与振込先の口座情報
・マイナンバー関連書類
・身元保証書
・健康診断書(3ヶ月以内のもの)
・免許・資格の証明書のコピー
・通勤経路届
・扶養家族の情報(該当する場合)

企業によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

社会保険の切り替え

健康保険
・前職の保険証を返却
・新しい会社で健康保険に加入
・空白期間がある場合は国民健康保険に加入

年金
・厚生年金から厚生年金への切り替え
・空白期間がある場合は国民年金への切り替え

雇用保険
・雇用保険被保険者証を新しい会社に提出
・自動的に継続される

初日の自己紹介の準備

初日は自己紹介を求められることが多いので、事前に準備しておきましょう。

「○○と申します。前職では△△の業務を担当しておりました。一日も早く皆様のお役に立てるよう努力いたしますので、ご指導のほどよろしくお願いいたします。」

簡潔に、明るく、好印象を与える自己紹介を心がけましょう。

転職後の心構え

新しい環境では、様々な変化に適応する必要があります。

・最初の3ヶ月が重要
・試用期間を意識する

多くの会社では、3〜6ヶ月の試用期間があります。この期間は企業があなたを評価する期間であり、適性がないと判断されれば本採用されないこともあります。

やるべきこと

・会社の文化や慣習を学ぶ
・積極的にコミュニケーションを取る
・質問を恐れない
・早めの出社、遅めの退社を心がける(最初のうち)
・メモを取り、同じことを何度も聞かない
・小さな仕事も丁寧に取り組む

前職との比較は避ける

「前の会社では○○だった」という発言は、新しい職場では好まれません。それぞれの会社に良さがあり、やり方があります。新しい環境に適応する姿勢が大切です。

良好な人間関係は、仕事のパフォーマンスにも大きく影響します。

3ヶ月後の振り返り

入社から3ヶ月経ったら、以下を振り返ってみましょう。

・転職の目的は達成できそうか
・期待していた環境か
・自分の強みは活かせているか
・改善すべき点は何か
・次の3ヶ月の目標は何か

転職直後は理想と現実のギャップを感じることもありますが、焦らず、着実に実績を積み重ねていきましょう。

まとめ:円満退職と良いスタートを切る

転職活動の最終段階である退職から入社までのプロセスは、今後のキャリアにも影響を与える重要な期間です。

・内定通知には冷静に対応
・条件をしっかり確認し、納得した上で承諾する。
・退職は計画的に、誠実に
・適切なタイミングで伝え、丁寧な引き継ぎで円満退職を実現する。
・入社準備を怠らない
・必要書類の準備、業界知識の習得など、事前準備を徹底する。
・新しい環境への適応を心がける
・謙虚な姿勢で学び、積極的にコミュニケーションを取る。

円満退職は、あなたのキャリアの財産です。「立つ鳥跡を濁さず」の精神で、感謝の気持ちを忘れずに次のステージへ進みましょう。

そして新しい職場では、転職活動で描いたビジョンを実現するため、前向きに挑戦し続けてください。あなたの転職が、キャリアの大きな飛躍となることを心から願っています。