書類選考を突破し、いよいよ面接へ。面接は、あなたの人柄やコミュニケーション能力、企業への熱意を直接アピールできる貴重な機会です。しかし同時に、多くの人が最も緊張する場面でもあります。
この第3部では、面接で好印象を与え、内定を勝ち取るための準備から当日の振る舞い、よくある質問への答え方まで、実践的なテクニックを徹底解説します。
面接の基本を理解する
まずは、面接の目的と種類を理解し、全体像を把握しましょう。
面接で企業が見ているポイント
面接官は、限られた時間であなたを多角的に評価しようとしています。
主な評価ポイント
・スキル・経験が求める要件に合致しているか
・企業文化や職場環境に適応できそうか
・コミュニケーション能力は十分か
・志望動機に一貫性と熱意があるか
・長期的に活躍してくれそうか
・ストレス耐性や問題解決能力があるか
書類では伝わらない、あなたの人間性や熱意を見極めようとしていることを理解しましょう。
面接の種類と特徴
転職活動では、通常複数回の面接が行われます。
一次面接(人事面接)
人事担当者が面接官を務めることが多く、基本的なビジネスマナーや一般的なスキル、企業への適性などを確認します。
・時間:30分〜1時間程度
・評価ポイント:基本的なコミュニケーション能力、志望動機の妥当性
・対策:明るく、はきはきと受け答えする
二次面接(現場面接)
配属予定部署の上司や現場責任者が面接官を務め、より専門的な質問や実務能力について深掘りされます。
・時間:1時間〜1時間30分程度
・評価ポイント:実務能力、専門知識、チームへの適応性
・対策:具体的な実績や経験を詳しく説明できるよう準備
最終面接(役員面接)
役員や社長が面接官を務め、企業のビジョンへの共感や長期的なキャリアプラン、入社への本気度を確認します。
・時間:30分〜1時間程度
・評価ポイント:企業理念への共感、入社意欲の高さ、将来性
・対策:企業研究を深め、熱意を伝える
オンライン面接と対面面接の違い
最近では、一次面接をオンラインで行う企業も増えています。
オンライン面接の注意点
・通信環境を事前に確認(Wi-Fi、通信速度)
・背景は無地の壁やバーチャル背景を使用
・照明を工夫し、顔が明るく映るようにする
・カメラ目線を意識する
・イヤホンマイクで音質を向上させる
・開始5分前には準備完了しておく
対面面接の注意点
・会場には10分前到着を目指す
・建物に入る前に身だしなみを最終チェック
・受付での対応も評価されていると心得る
・スマートフォンは電源を切るかマナーモードに
面接前の準備を徹底する
面接の成否は、事前準備で8割が決まると言われています。入念な準備で自信を持って臨みましょう。
企業研究を深める
応募書類作成時にも企業研究は行いましたが、面接前にさらに深掘りしましょう。
~調べるべき項目~
・企業の沿革と事業内容
・経営理念やビジョン
・主力商品・サービスの特徴
・業界内でのポジション
・競合他社との違い
・最近のニュースやプレスリリース
・中期経営計画や今後の展望
面接官から「弊社についてどう思いますか?」と聞かれた際に、的確に答えられるよう準備します。
企業研究の情報源
・企業の公式ウェブサイト
・IR情報(上場企業の場合)
・業界新聞や専門誌
・口コミサイト(OpenWork、転職会議など)
・SNSの公式アカウント
・ニュースサイトの企業検索
想定質問への回答を準備する
面接でよく聞かれる質問への回答を事前に準備しておくことで、落ち着いて答えられます。
必須の準備項目
・自己紹介(1分程度、3分程度の2パターン)
・志望動機
・転職理由
・自己PR
・長所・短所
・これまでの実績
・キャリアプラン
ただし、丸暗記すると棒読みになってしまうため、キーワードと話の流れを覚える程度にしましょう。
逆質問を複数用意する
面接の最後には必ず「何か質問はありますか?」と聞かれます。「特にありません」はNGです。企業への関心の高さを示すチャンスですので、5〜10個の質問を用意しておきましょう。
効果的な逆質問の例
「この職種で活躍している方の共通点は何ですか?」
「入社までに勉強しておくべきことはありますか?」
「配属予定の部署の雰囲気を教えていただけますか?」
「今後注力していく事業領域について教えてください」
「御社で評価される人材の特徴を教えていただけますか?」
避けるべき逆質問
・調べればわかること(「御社の事業内容を教えてください」など)
・待遇面ばかりの質問(給与、休日など)
・ネガティブな質問(「残業は多いですか?」など)
・面接官が答えられない質問(人事に現場の詳細を聞くなど)
一次、二次、最終と面接が進むにつれて、質問内容も深めていきましょう。
身だしなみと持ち物の確認
第一印象は、見た目で大きく左右されます。
服装のポイント(男性)
・スーツ:紺、グレー、黒などのダークカラー
・シャツ:白が基本、アイロンがけされたもの
・ネクタイ:派手すぎない柄、結び目を整える
・靴:黒の革靴、磨いておく
・靴下:スーツに合った色、座った時に肌が見えない長さ
服装のポイント(女性)
・スーツ:紺、グレー、黒などのダークカラー
・シャツ・ブラウス:白や淡い色、清潔感のあるもの
・スカート・パンツ:丈は適切に、シワのないもの
・靴:黒やベージュのパンプス(ヒールは3〜5cm程度)
・ストッキング:ベージュ系、予備を持参
髪型・身だしなみ
・清潔感のある髪型(前髪が目にかからない)
・男性:髭を剃る、髪は短めか整える
・女性:ナチュラルメイク、長い髪はまとめる
・爪は短く清潔に
・香水は控えめに、またはつけない
持ち物チェックリスト
□ 応募書類のコピー
□ 筆記用具(ボールペン、メモ帳)
□ 企業情報のメモ
□ 印鑑(念のため)
□ 腕時計
□ ハンカチ、ティッシュ
□ スマートフォン(地図アプリ用、面接中は電源OFF)
□ 予備のストッキング(女性)
すべてを収められるビジネスバッグを用意しましょう。
面接当日の振る舞いとマナー
当日は、会場に到着してから退出するまで、すべての行動が評価対象です。
入室から着席まで
1.ノックと入室
2.ドアを3回ノックし、「どうぞ」の声を聞いてから入室します。ドアは静かに閉めましょう。
挨拶
3.「失礼いたします」と言って一礼し、椅子の横まで進みます。
4.自己紹介と着席
「○○と申します。本日はよろしくお願いいたします」と言って一礼します。「どうぞお座りください」と言われてから着席します。
着席後の姿勢
・背筋を伸ばし、浅めに腰掛ける
・手は軽く握って膝の上に置く(男性)、または膝の上で重ねる(女性)
・バッグは椅子の横に置く
・コートは椅子の背もたれにかける
面接中の振る舞い
話し方のポイント
・はきはきと明瞭に話す
・適度なスピードで(早口にならない)
・語尾まではっきりと発音する
・「えーっと」「あのー」などの口癖を減らす
・敬語を正しく使う(「御社」「貴社」の使い分け)
聞き方のポイント
・面接官の目を見て話を聞く(目線は鼻のあたりでもOK)
・適度に相槌を打つ
・メモを取る際は「メモを取らせていただいてもよろしいでしょうか」と確認
・質問の意図を理解してから答える
・分からない質問は正直に「申し訳ございません、○○については経験がございません」と伝える
表情とボディランゲージ
・自然な笑顔を心がける
・緊張しすぎず、リラックスした雰囲気を作る
・ジェスチャーは適度に(大げさにならない)
・腕組みや足組みはしない
・時計を頻繁に見ない
よくある質問と効果的な答え方
面接で頻出する質問について、効果的な答え方を解説します。
自己紹介
ポイント
簡潔に経歴を説明し、強みや志望動機につなげます。時間指定がない場合は1〜2分程度を目安に。
「○○大学を卒業後、株式会社△△に入社し、営業職として5年間勤務してまいりました。新規開拓営業を中心に担当し、年間売上目標を3年連続で達成することができました。営業活動を通じて顧客の課題解決に貢献することにやりがいを感じ、より専門的なソリューション提案ができる環境で挑戦したいと考え、貴社に応募いたしました。本日はよろしくお願いいたします。」
志望動機
ポイント
企業への関心、自分の経験との接点、入社後の貢献イメージを盛り込みます。
悪い例
「御社の安定性と待遇に魅力を感じました。」
→ 企業研究不足、自己中心的な印象
「貴社の『顧客の成功を第一に考える』という理念に強く共感いたしました。前職で培った課題解決型の営業スタイルは、貴社のコンサルティング営業において大いに活かせると考えています。特に、貴社が注力されている中小企業向けのDX支援において、私の経験を活かして貢献したいと考えております。」
転職理由
ポイント
ネガティブな理由でも、ポジティブな表現に変換します。前職の悪口は絶対にNG。
NG例
「上司と合わなくて」「給料が安くて」「残業が多くて」
→ ネガティブな印象、同じ理由で辞めそう
「現職では貴重な経験を積ませていただきましたが、より専門性を高め、大規模なプロジェクトに携わりたいという思いが強くなり、転職を決意いたしました。貴社では○○のような案件に関われると伺い、自身の成長とキャリアアップを実現できる環境だと確信しております。」
長所と短所
ポイント
長所は具体例とセットで。短所は改善への取り組みも併せて伝えます。
「私の長所は、粘り強く目標を追求するところです。前職で新規事業の立ち上げを担当した際、初期は全く成果が出ませんでしたが、PDCAを回し続け、半年後には目標を達成できました。この経験から、困難な状況でも諦めずに取り組む力が身につきました。」
「私の短所は、完璧主義になりがちなところです。細部にこだわりすぎて時間がかかることがありました。現在は、重要度に応じて時間配分を工夫し、優先順位をつけて業務を進めることを意識しています。その結果、効率も上がり、チーム全体の生産性向上にも貢献できるようになりました。」
実績・経験に関する質問
ポイント
STAR法(状況・課題・行動・結果)を使って構造的に説明します。
「前職で大型案件の提案を任された際、競合他社との厳しい競争に直面しました(状況)。当初は価格面で不利な状況でしたが(課題)、顧客のニーズを徹底的にヒアリングし、価格以上の価値を提供できる独自の提案を作成しました(行動)。結果として、5,000万円の案件を受注でき、その後も継続取引につながりました(結果)。この経験から、価格競争に巻き込まれず、価値提案で勝負することの重要性を学びました。」
キャリアプランに関する質問
ポイント
企業で実現できるキャリアプランを描き、長期的に貢献する意思を示します。
「5年後には、貴社の主力事業である○○分野のスペシャリストとして、顧客から信頼される存在になりたいと考えています。専門知識を深めるとともに、後輩の育成にも携わりたいです。10年後には、チームリーダーとして新規事業の立ち上げなどにも挑戦し、会社の成長に貢献できる人材になりたいと考えております。」
圧迫面接への対処法
時には、意図的に厳しい質問をする「圧迫面接」を行う企業もあります。
圧迫面接の目的
企業は、ストレス耐性や冷静な判断力、問題解決能力を見るために圧迫面接を行うことがあります。個人攻撃ではなく、評価の一環だと理解しましょう。
対処法
・冷静さを保つ
・感情的にならず、深呼吸して落ち着いて対応します。
・質問の意図を考える
・「なぜこの質問をされるのか」を考え、相手が求める答えを探ります。
・論理的に説明する
・感情的な反論ではなく、論理的に自分の考えを説明します。
答えられない質問には「申し訳ございません、その点については経験がないため、お答えできません」と正直に伝えます。
パワハラとの見極め
ただし、明らかなパワハラ(人格否定、差別的発言など)は、圧迫面接とは異なります。不適切な対応を受けた場合は、その企業への入社を再考することも必要です。
面接後のフォローアップ
面接が終わっても、やるべきことがあります。
お礼のメール
面接当日または翌日には、お礼のメールを送ることをおすすめします。必須ではありませんが、好印象を与えられます。
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お礼メールの例
件名:面接のお礼(氏名)
株式会社○○
人事部 △△様
お世話になっております。
本日面接をしていただきました、山田太郎です。
本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき
誠にありがとうございました。
○○様のお話を伺い、貴社の事業内容や
企業文化への理解が深まり、
ますます貴社で働きたいという思いが強くなりました。
ぜひ貴社の一員として、
これまでの経験を活かし貢献させていただきたく存じます。
取り急ぎ、お礼を申し上げたく、メールいたしました。
引き続き、何卒よろしくお願い申し上げます。
山田太郎
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振り返りと次回への改善
面接が終わったら、記憶が新しいうちに振り返りを行いましょう。
振り返るポイント
・どんな質問をされたか
・どう答えたか
・うまく答えられなかった質問は何か
・面接官の反応はどうだったか
・改善すべき点は何か
次の面接に活かすため、記録を残しておくことをおすすめします。
まとめ:準備と実践で面接を突破する
面接で内定を勝ち取るためには、以下のポイントを押さえましょう。
・徹底的な事前準備
・企業研究、想定質問への回答準備、逆質問の用意を怠らない。
・第一印象を大切に
・身だしなみ、挨拶、立ち居振る舞いで好印象を与える。
・STAR法で具体的に説明
・実績や経験は、状況・課題・行動・結果の流れで説明する。
・ポジティブな姿勢を保つ
・前職の批判は避け、前向きな転職理由を伝える。
・質問の意図を理解する
・表面的な質問の裏にある、面接官の真の意図を考える。
・熱意を伝える
・企業への関心と入社意欲を、言葉と態度で示す。
面接は、準備次第で結果が大きく変わります。この記事で紹介したテクニックを実践し、自信を持って面接に臨んでください。
次回は、内定後の「退社・入社の手続き」について詳しく解説します。円満退職から新しい職場へのスムーズな移行まで、最後のステップを成功させるポイントをお伝えします。